電力や石油などの資源に対する需要が増え続けている一方で、その供給は限られています。
その中でも、水はおそらく最たる資源でしょう。
この記事では、なぜ水が重要なのか、投資家が水資源に興味を持つべき理由、水関連銘柄をいくつかについて説明します。
さらに水関連銘柄への投資を考える際に役立ついくつかのETFについて紹介します。
なぜ水関連銘柄に注目する必要があるのか
・人類にとって永遠の最重要な資源!!
・今後、世界的に水不足や水に対する需要が高まることが予想される!!
水不足の心配をほとんどしたことがない日本であっても、水は不可欠な資源、これは誰でも同じ認識でしょう。
日常生活で飲料、料理、掃除などに多くの水が使用されていますからね。
また家庭内だけでなく、工業、農業、エネルギー産業などでも幅広く利用されており、水の需要はますます増加しています。
この需要の高まりが水の価格にも影響を与えており、水道料金の上昇も見られています。
・米国では、月々の水道料金は平均 70 ドルを超えています。(最低18 ドル、最高91 ドル)
・2021 年の世界の水市場の総市場規模は 5,000 億ドルと推定され、そのうち 1,000 億ドルは米国市場。
・世界銀行は、水不足に直面している国は国内総生産 (GDP) の合計 6% の損失に直面する可能性がある
特に農業用途の灌漑やエネルギー生産において水の重要性は高く、これらの産業での水消費量も膨大です。
一方で、水資源は限られており、地域によっては水不足が深刻な問題となっています。
国連の調査によれば、世界の人口の約30%が水不足の国々に住んでおり、これは将来的に避けられない問題とされています。
水不足が進行すれば、環境への悪影響や経済への損失も懸念されています。
投資家にとっても水関連産業は注目すべき分野といえそうです。
水の需要増加に対応する技術やインフラの開発、浄水技術の進化などが求められており、これに関連する企業やプロジェクトへの投資が増えています。
水関連株の中でも、長期的な成長ポテンシャルの高い銘柄として注目することが重要です。
水資源へ投資を考えるポイント
水資源への投資を考えるポイントはいくつかあります。
以下に主なポイントをまとめてみましょう。
- 需要と供給のバランス: 水はますます不足しており、需要と供給のバランスが緊張しています。このような状況は、水資源への投資を魅力的な選択肢として浮上させています。
- 水処理の必要性: 人間が消費できる水はごくわずかであり、そのために水の浄化が不可欠です。水処理技術の進化や浄水プロセスへの投資が求められており、これに関連する企業への投資機会があります。
- インフラのアップグレード: 世界中の水インフラはアップグレードが必要であり、これに伴う投資が増加しています。ポンプやタンクなどの機器のアップデートが行われ、水関連の企業への投資が増えています。
- ボトル入り飲料水の需要: ボトル入り飲料水の需要が増加しており、これによって水関連の企業への需要が高まっています。国際市場での需要も成長しており、投資機会となっています。
- ポートフォリオの多様化: 投資家は、水資源への投資を通じてポートフォリオを多様化し、リスクを分散させることができます。水関連の投資は、他の産業とは異なる特有のリターンを提供する可能性があります。
- 規制と統合: 水は規制が厳しい産業ですが、同時に既存企業を保護し、新規参入を難しくしています。これにより、大規模な企業が統合し、安定したキャッシュフローや配当を提供する可能性があります。
おすすめ米国の水関連銘柄
水関連の投資は、将来の成長や社会的ニーズに基づく魅力的な機会を提供しています。
その中で、水関連企業の株式投資は最も一般的な方法の1つです。
以下は、米国の水関連企業の中から5つの銘柄と、水関連の投資信託(ETF)のいくつかを紹介します。
米国の水関連銘柄:
- American Water Works Company (NYSE: AWK): 米国内で14州の顧客に上下水道サービスを提供しており、安定した収益と成長性を持つ水道事業会社です。
- Middlesex Water Company (NASDAQ: MSEX): ニュージャージー州とデラウェア州で水供給と下水処理を行う企業で、規制市場と非規制市場の双方で事業展開しています。
- California Water Service Group (NYSE: CWT): カリフォルニアを中心に、他の州や地域でも水供給サービスを提供しており、長い増配実績を持つ公益事業会社です。
- Global Water Resources (NYSE: GWRS): アリゾナ州フェニックスに拠点を置き、水と廃水の処理を行う企業で、持続可能な水資源管理に注力しています。
- Essential Utilities (NYSE: WTRG): 複数の州で水道および公共事業サービスを提供しており、長い歴史と増配実績を持つ水関連企業です。
finviz.comより
finviz.comより
finviz.comより
finviz.comより
米国の水関連投資信託(ETF)
- Invesco Water Resources Portfolio ETF (NASDAQ: PHO): 米国内の水関連企業に投資するETFで、幅広い水関連銘柄へのエクスポージャーを提供します。
- iShares U.S. Utilities ETF (NYSEARCA: IDU): 公益事業関連の銘柄に投資するETFで、水関連銘柄だけでなく他の公益事業にも投資することができます。
finviz.comより
まとめ
サラリーマン投資家におすすめしていることは(インデックス投資信託以外)ディフェンシブ銘柄と高配当銘柄への投資です。
つまり水関連銘柄はディフェンシブ銘柄であり、高配当銘柄という点では投資することは「有効」だと思います。
ただし中長期に水資源が今以上に有効な資源になり得るとしても、それがいつ、どのタイミングで注目を浴びるかはわかりません。
現状のエネルギー銘柄の中でも、すぐれたディフェンシブ銘柄でありますが、投資妙味としては…。
みなさんのご判断にゆだねたいと思います。
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