みなさん、こんにちは。
2024年5月、インベスコ・アセット・マネジメントは「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」を設立し、これにより従来の時価総額加重型S&P 500と一線を画した、新しい投資戦略が注目されています。
本ファンドは、全銘柄に均等に投資することで、特定の企業やセクターに過度に依存しない分散投資を実現していますが、果たしてS&P 500のパフォーマンスを上回ることができるのでしょうか?
この記事では、その疑問を深掘りしていきたいと思います。
- 分散投資を重視したい
- 大型テック株に依存しない投資を求ている
- S&P 500よりも独自のリターンを追求したい
- インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンドは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは異なるアプローチを取っている。
- ハイテク銘柄への依存を抑えた特徴があるが、現状では時価総額加重型ファンドの方が成績がやや優れている。
- 投資を検討する際には、S&P500にベンチマークした投資信託やETFに広く目を向けることが重要。
- 特定のファンドの宣伝を鵜呑みにせず、客観的に比較することが求められる。
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✅ 投資信託 インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンドとは?
インベスコ・アセット・マネジメント株式会社は、2024年5月31日に「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」を設定・運用開始しました。
このファンドは、S&P 500イコール・ウェイト指数(税引後配当込み、円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指しています。
✅ ファンドの特徴
- 運用方針: 主として上場投資信託証券(ETF)への投資を通じて、指数の動きに連動することを目指します。
- 投資対象ETF: Invesco S&P 500® Equal Weight ETFを主な投資対象としています。
- 均等投資: S&P 500指数の全銘柄に均等に投資するため、特定の銘柄や業種への偏りを抑えることができます。
✅ ファンドの特性
- 分類: 追加型投信/海外/株式/インデックス型
- 信託期間: 無期限
- 決算日: 6月10日
- 運用管理費用(信託報酬): 0.33%(税込)
✅ 投資の意義
- 分散投資: 時価総額の大きい銘柄への集中を避け、より分散された投資が可能です
- パフォーマンス向上の可能性: S&P 500指数の下位50銘柄が上位50銘柄を年率リターンで上回る傾向があり、このファンドはその効果を反映しやすい構造となっています
- 市場環境への対応: 一部の大型テクノロジー株への集中が進む現在の市場環境において、分散投資の手段として注目されています。
このファンドは、S&P 500指数に連動するファンドが人気を博している中で、より分散された投資手法を提供することを目的としています。
投資家は、米国株式市場への投資において、時価総額加重方式とは異なるアプローチを取ることができます。
✅ ETF:インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド(RSP)とは?
項目 | 内容 |
---|---|
ファンド名 | Invesco S&P 500® Equal Weight ETF |
ティッカーシンボル | RSP |
運用会社 | Invesco |
設定日 | 2003年4月24日 |
ベンチマーク | S&P 500® Equal Weight Index |
運用方針 | S&P 500構成銘柄を均等ウェイトで保有 |
純資産総額 | 約979億ドル(2024年6月30日時点) |
経費率 | 0.20% |
配当利回り(30日SEC) | 1.74% |
保有銘柄数 | 503 |
リバランス頻度 | 四半期ごと |
上場取引所 | NYSE Arca |
加重平均時価総額 | 979億9,655万ドル |
このファンドは、S&P 500指数の構成銘柄を均等に保有することで、大型株への集中を避け、より分散された投資を提供することを目的としています。
四半期ごとのリバランスにより、各銘柄の比率を調整しています。
✅ イコールウェイト vs 時価総額加重型の違いとは?
S&P 500指数は通常、時価総額加重型で運用され、巨大企業に大きな影響を受けやすくなります。
S&P 500指数において、上位10銘柄が占める割合は約30%に達しています。
また上位100銘柄で70%を占めるともあり、上位銘柄に強く依存していることがわかります。
一方で、イコール・ウェイト型ファンドでは、すべての銘柄が均等に保有されるため、小型企業や中型企業の影響力が強まります。
具体的には、時価総額加重型では上位10銘柄が指数全体の30%以上を占めるのに対し、イコール・ウェイト型では1銘柄あたりの影響力は約0.2%。
2020年代初頭の市場では、テクノロジー企業が市場を牽引してきました。
それほどテクノロジー企業の圧倒的な強さが市場を牽引しています。
しかし、もし市場が今後、他のセクターに移行するならば、(テクノロジー企業が大暴落、もしくは何かしらの規制がかかると)、イコール・ウェイト型は小型株の成長により恩恵を受けやすくなります。
✅ 結局どっちがよい?RSPとVOOを比較してみよう
イコールウェイトの指標はRSP, 時価総額加重型はVOOで比較してましょう。
✅運用方針の違い
- RSP: S&P 500指数の構成銘柄を均等に保有します。各銘柄の比率は約0.2%です。
- VOO: S&P 500指数を時価総額加重方式で保有します。時価総額の大きい企業の比率が高くなります。
✅ファンドの特性
特性 | RSP | VOO |
---|---|---|
経費率 | 0.20% | 0.03% |
設定日 | 2003年4月24日 | 2010年9月7日 |
純資産総額 | 約979億ドル | 約5,028億ドル |
finviz.comより
✅投資アプローチの特徴
- 銘柄集中リスク:
- RSPは均等加重方式により、特定銘柄への集中リスクが低減されます。
- VOOは時価総額加重方式のため、上位企業への集中度が高くなります。
- 企業規模の傾向:
- RSPは比較的小型の企業への投資比率が高くなります。
- VOOは大型株への投資比率が高くなります。
- リバランス:
- RSPは四半期ごとにリバランスを行い、均等加重を維持します。
- VOOは指数の変更に応じてリバランスを行います。
✅パフォーマンスの傾向
- RSPは市場環境によって、VOOを上回ることもあれば下回ることもあります。
- 長期的には、VOOがRSPを上回るパフォーマンスを示す傾向がありました。
✅投資の意義
- RSP: より分散された投資を求める投資家や、大型株への集中を避けたい投資家に適しています。
- VOO: 市場の平均的なパフォーマンスを低コストで追求したい投資家に適しています。
両ETFとも、S&P 500指数に連動することを目指していますが、その運用方法の違いにより、異なる特性とパフォーマンスを示します。投資家は自身の投資目的や市場見通しに応じて、適切な選択をすることが重要です。
RSP (Invesco S&P 500® Equal Weight ETF) とVOO (Vanguard S&P 500 ETF) のパフォーマンスには、以下のような違いが見られます:
✅長期的なパフォーマンス
✅過去10年間(2024年6月30日時点)の年率リターンを比較すると
- RSP: 11.07%
- VOO: 13.29%
VOOがRSPを約2.22%上回っています。
✅パフォーマンスの特徴
- 市場環境による変動: RSPとVOOは市場環境によって、互いに優位性が入れ替わることがあります。
- 大型株の影響: VOOは時価総額加重方式のため、大型株(特にGAFAM)の好調時にRSPを上回る傾向があります。
- 相対的な強さの変化: VOO/RSP比率のチャートを見ると、2016年終盤から長期上昇トレンドが始まり、2020年のパンデミックショックで急上昇しました。
✅短期的な変動
2021年4月以降の3ヶ月間の比較では、VOOとRSPのパフォーマンスに交互に強弱が見られました。
この期間はVOOがやや優位でした。
✅パフォーマンスの要因
- 構成銘柄の違い: VOOは時価総額上位企業の比重が高く、RSPは全銘柄を均等に保有します。
- セクター配分: RSPは相対的に小型株や景気敏感セクターへの配分が高くなります。
- リバランス効果: RSPは定期的なリバランスにより、相対的に割安な銘柄へ投資する効果があります。
✅投資家への示唆
- 長期的には、VOOがRSPを上回るパフォーマンスを示す傾向がありました。
- しかし、市場環境によってはRSPがVOOを上回る期間もあるため、投資家の市場見通しや分散投資の目的に応じて選択することが重要です。
パフォーマンスの違いは、両ETFの運用方針の違いから生じており、投資家は自身の投資戦略に合わせて適切な選択をすることが求められます。
✅ まとめ
- インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンドは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは異なるアプローチを取っている。
- ハイテク銘柄への依存を抑えた特徴があるが、現状では時価総額加重型ファンドの方が成績がやや優れている。
- 投資を検討する際には、S&P500にベンチマークした投資信託やETFに広く目を向けることが重要。
- 特定のファンドの宣伝を鵜呑みにせず、客観的に比較することが求められる。
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