【グラフ/理由解説】S&P500は長期投資がベストな理由

今回は読者からの質問です。

株式投資を長期で投資した場合、年間平均リターンに近い成長を遂げたことが驚くほど少ないと書いてありました。
言い換えれば、典型的な年間リターンは長期的な平均値(10%程度)を大きく上回るか、あるいは大きく下回るかということです。
実際はどうなんでしょうか?

1926年から2020年までの米国株式市場の平均リターンは年率約10%でした。

もし毎年10%のリターンが見込めるのであれば、株式投資はずっと簡単ですよね。

残念ながら現実はそうはいきません。

えー!平均リターン10%だったら貯金せずに
株式投資に全振りしたほうがいいよね。

ぐりっと

そうだね。
もし株式市場のリターンが毎年一定であれば、
当然、リスクは0%になるはず。
そうなっていないのは、変動率に秘密があるんだよ。

もし株式投資にリスクが全くなければ株式投資は
これほど魅力的なリターンを提供できないないってことだね。

ぐりっと

リスク資産への投資にこんなキャッチフレーズがあります。

長期的な安定性を求めるなら、低いリターンを受け入れなければならない(貯金のように)
また、長期的に高いリターンを求めるなら、より高いボラティリティを受け入れなければならない(株式)

リスクから本当に逃れることはできないが、リスクの受け止め方を変えることができます。

ここまでのまとめ

・S&P500の1926⁻2020年の平均リターン約10%
・変動率が高く、ほとんどの年数で10%に収まっていない
・変動率を受け入れて投資する

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目次

S&P 500の年別の投資リターンを確認しよう

上のグラフでわかるとおり、毎年のリターンはまちまちであり一貫性が全くありません。

ある年から次の年まで何が起こるか予測するのは難しいでしょう。

ここでは異なるリターンをみることによって経時的なリターンを見る別の方法があります。

過去95年間のリターンは、10%から20%の範囲が最も多いことがわかります。

平均10%のはずなのに、10%から20%の方が多い?

1926年から2020年までの年間リターンについて、もう少し詳しくまとめてみました。

95年間のなかで70年間はプラスリターン(74%)
95年のなかで25年間はマイナスリターン(26%)
95年間のなかで68年間が2桁の利益または損失(72%)
95年間のなかで56年間は2桁の利益(そのうち59%)
95年間のなかで12年間が2桁の損失(そのうち13%)
95年間のなかで40年間が20%以上の利益または損失(そのうち42%)
95年間のなかで34年間が20%以上の利益(全体の36%)
95年間のなかで6年間が20%以上の損失(全体の6%)
平均すると4年に3回程度上昇しているだけでなく、同じような頻度で2桁の上昇や下落を見せています。
長期平均に近いリターンよりも、2桁の損失を経験する年の方が多いのです

注目すべきは20%以上、上昇した年は全体の3分の1以上あることです。

株式市場のリターンは、ある年から次の年へと変化するだけでなく、一進一退を繰り返しているのです。

年間が作成した次のスライドは、長期的なリターンがいかに不安定であるかを示しています。

この表では価格のみで配当は含ないS&P500のチャートです。

17年近くもレンジ相場が続いています。

そして暴落したときは、すごい勢いで暴落しています。

株式市場から不規則を排除する唯一の方法は長期投資、つまり数十年の時間軸を持つことです。

これは言うは易く、行うは難しいですね。

上記と同じ年間リターンを使って、30年ごとに区切って年間リターンを計算してみました。

最高の30年間のリターンは1975年から2004年までで年率13.6%でした。

そして最悪の30年間のリターンは、1929年から1958年までの年率8.0%でした。

それでも最悪の30年間であっても8%という並外れた結果を生むことがあることを忘れてはいけません。

ちなみに、この年率8%のリターンで得たトータルリターンは約900%になります。
(過去最悪の暴落の成績としては悪くないとおもいます)

もちろん、このような長期的な数字には注意点がたくさんあるので、今後も勉強が必要ですね。

おまけ

重ならない3つの期間はすべて比較的堅実な年間リターンでは?

1926-1955: 9.7%
1956-1985: 9.4%
1986-2015: 10.3%

時間をずらして長期投資を行った場合

1931-1960: 9.8%
1961-1990: 10.1%
1991-2020: 10.6%

まとめ

今後30年間、米国株投資家にとってこのような状況が続くかどうかは分かりません。

むしろ投資家は今後の期待値を下げるべきかもしれません。

しかし、いまと同じような期待値が続くとすると、これまで以上に長期的な視野で考えて行動することが重要になります。

株式市場は2022年だけをみてみると、成績は芳しくありませんでした。

このように年によってリターンが大きく異なるのが普通です。

それは今後も変わることはないでしょう。

しかし投資家にとって残念なことに株式市場の短期的な動きに注目することは、かつてないほど容易になってきています。

そのため短期的な動きを無視して長期的な視点に立つことができる投資家は、より大きな利益を得ることができます。

当ブログはサラリーマンと投資に着目した記事を多数掲載しています。

長期投資はサラリーマンと非常に相性が良い投資方法です。

投資を楽しみにながら、自己実現にむけた取り組みを日々続けていきましょう。

おすすめの記事の一部を掲載していますので、他の記事も読んでみてください。

さいごに

ぐりっと

ここでもう一つの問題があります。
過去95年間の年率10%のリターンが、次の95年間も同じように高いかどうか、私たちには全く分かりません。
過去95年間の年率10%のリターンが今後95年間も続くかどうかはわかりません。

また2000年からの30年間のリターンが史上最悪になる可能性があることも注目すべき点です。
今現在、今世紀初頭からの年間リターンは7.1%です。
このようなひどい投資開始期間では、ハイテクバブルの恩恵に感謝する必要があります。

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